ServiceNow M365申請システム 運用管理者手順書 - エラー対応と再申請処理編

公開日: 2026-01-05 4分 / 816文字 ServiceNowMicrosoft 365SharePointITSM運用管理手順書

1. 本書について

本書は、ServiceNow(以下SNOW)を使用したMicrosoft 365申請ワークフローシステムにおいて、エラー発生時の対応と再申請処理を行う運用管理者向けの手順書です。

本書は以下の形式で構成されています:

内容
1. 本書について本書の目的と位置づけ
2. 目的本作業の目的
3. 運用影響作業実施による影響とリスク
4. 前提条件作業開始前の確認事項
5. 利用ツール使用するシステム・ツール
6. 必要権限作業に必要なアクセス権限
7. 作業完了基準作業完了の判断基準
8. 作業タイミング作業を実施するタイミング
9. 手順具体的な作業手順

関連ドキュメント:

  • ServiceNow ITSMでMicrosoft 365申請ワークフローを運用管理する - SharePoint連携型システムの管理者ガイド

2. 目的

本作業の目的は以下のとおりです:

  1. エラー発生案件の早期検知と原因特定

    • M365設定反映システムで発生したエラーを迅速に把握する
    • エラー原因を特定し、適切な対処方法を判断する
  2. 申請データの修正と再申請処理の実施

    • SharePointリスト上のエラー案件を修正する
    • 再処理を実行してM365への設定反映を完了させる
  3. 申請者への適切な情報提供

    • エラー状況と対応状況を申請者に通知する
    • 処理完了後に完了通知を送信する
  4. 運用品質の維持・向上

    • エラー発生傾向を把握し、再発防止策を検討する
    • 運用ナレッジを蓄積する

3. 運用影響

(1)実施影響

本作業を正しく実施した場合の影響:

影響対象内容
申請者エラーで停止していた申請が正常に処理され、M365設定が反映される
SharePointリストエラーステータスから「待機中」に変更され、再処理が開始される
M365設定反映システム再処理対象のアイテムを検知し、M365への設定反映を再実行する
SNOW申請レコード定期ジョブにより処理結果が反映され、ステータスが「完了」に更新される
通知メール処理完了後、申請者へ完了通知メールが送信される

作業中のサービス影響:

  • 本作業中も申請システムは稼働継続
  • 新規申請の受付・処理に影響なし
  • 他のエラー案件の対応にも影響なし

(2)誤った手順を行った場合の影響

本作業を誤って実施した場合に想定される影響:

誤操作内容影響重大度
誤ったRequestDataの修正M365に不正なユーザー/グループが作成される可能性
ProcessStatusを誤って変更処理済み案件が二重処理される可能性
別の申請番号のアイテムを修正関係のない申請に影響を与える
JSONフォーマットの破損M365設定反映システムがデータを読み取れずエラー継続
必須フィールドの削除再処理時にエラーが再発する

リスク軽減策:

  • 修正前に必ずスクリーンショットを保存する
  • 申請番号を複数回確認してから作業する
  • JSONの編集は慎重に行い、フォーマットチェックを実施する
  • 重大な修正は上位者の確認を得てから実施する

4. 前提条件

本作業を実施する前に、以下の条件が満たされていることを確認してください。

環境・システム要件

確認項目要件確認方法
SNOWへのアクセス組織のSNOWインスタンスにログイン可能ブラウザでSNOW URLにアクセス
SharePointへのアクセス対象SharePointサイトにアクセス可能ブラウザでSharePointサイトURLにアクセス
ネットワーク接続社内ネットワークまたはVPN接続済みSNOWおよびSharePointに接続できることを確認
ブラウザMicrosoft Edge、Google Chrome推奨最新バージョンを使用

情報要件

確認項目内容
エラー通知メールエラー発生を知らせるメールを受信していること
申請番号対象申請のSNOW申請番号(例: REQ0012345)
エラー内容エラーメッセージまたはエラーコードを把握していること

前提知識

項目内容
SharePointリスト操作リストの検索、フィルタリング、アイテム編集の基本操作
JSON形式JSONの基本構造を理解していること
SNOW基本操作SNOWへのログイン、レコード検索、Work Notes記入

5. 利用ツール

本作業で使用するシステム・ツールは以下のとおりです。

ツール名用途URL/アクセス方法
ServiceNow申請レコードの確認、Work Notes記入組織のSNOW URL
SharePoint Onlineエラー案件の確認、データ修正、再処理実行SharePointサイトURL
Microsoft 365管理センターM365側の状態確認(必要時)https://admin.microsoft.com/
メールクライアントエラー通知の受信、申請者への連絡Outlook等
スクリーンショットツール作業証跡の保存Snipping Tool、PrintScreen等

SharePointリスト一覧:

リスト名用途対象申請
UserCreateRequestsユーザー作成申請データユーザー作成申請
UserDeleteRequestsユーザー削除申請データユーザー削除申請
GroupCreateRequestsグループ作成申請データグループ作成申請
GroupMemberRequestsグループメンバー追加申請データグループメンバー追加申請
LicenseAssignRequestsライセンス割当申請データライセンス割当申請
MailboxSettingRequestsメールボックス設定変更申請データメールボックス設定変更申請
TeamCreateRequestsチーム作成申請データチーム作成申請
ExternalShareRequests外部共有設定申請データ外部共有設定申請
SecurityGroupRequestsセキュリティグループ作成申請データセキュリティグループ作成申請

6. 必要権限

本作業を実施するために必要な権限は以下のとおりです。

ServiceNow権限

権限/ロール用途確認方法
itil申請レコードの参照・更新自分のユーザーレコードでRolesを確認
catalog_admin(推奨)Catalog Item、変数の参照同上
M365 Admin Group メンバーエラー通知メールの受信グループメンバー一覧で確認

SharePoint権限

権限レベル用途確認方法
編集(Edit)リストアイテムの修正リストの「共有」設定で確認
フルコントロール(推奨)リスト設定の確認同上

権限不足の場合の対応:

  • SNOW権限: 基盤管理部隊に権限付与を依頼
  • SharePoint権限: SharePoint管理者に権限付与を依頼

7. 作業完了基準

本作業が完了したと判断する基準は以下のとおりです。

必須完了基準

#完了基準確認方法
1SharePointリストのProcessStatusが「完了」になっているリストでアイテムを確認
2SNOW申請レコードのStateが「Closed Complete」になっているSNOWで申請レコードを確認
3申請者に完了通知メールが送信されているEmail Logで送信履歴を確認
4Work Notesに対応履歴が記載されているSNOW申請レコードで確認

推奨完了基準

#完了基準確認方法
1M365側で設定が正しく反映されているM365管理センターで確認
2エラー原因と対処内容が記録されている運用ログまたはWork Notes
3再発防止策が検討されている(必要な場合)改善提案として記録

未完了と判断する条件

条件対応
再処理後もエラーが継続している原因を再調査し、手順9を再実行
SNOW申請レコードが更新されない定期ジョブの実行状況を確認
申請者に通知が届かない通知設定を確認

8. 作業タイミング

本作業を実施するタイミングは以下のとおりです。

定常作業として実施するタイミング

タイミング頻度内容
毎日午前1回/日前日発生したエラーの確認と対応
毎日午後1回/日当日午前発生したエラーの確認と対応

即時対応が必要なタイミング

トリガー対応目標時間備考
エラー通知メール受信2時間以内営業時間内の場合
VIPユーザーからの問い合わせ1時間以内優先対応
同一エラーが複数件発生即時システム障害の可能性を確認

作業を避けるべきタイミング

タイミング理由
M365設定反映システムのメンテナンス中再処理が実行されない
SharePoint計画メンテナンス中リストにアクセスできない
月末・期末などの繁忙期(深夜帯)誤操作のリスク増加

9. 手順

作業フロー概要

graph TD A[エラー通知受信] --> B[(1)エラー内容の確認] B --> C[(2)SNOW申請レコードの確認] C --> D[(3)SharePointリストでエラー詳細確認] D --> E{修正可能?} E -->|Yes| F[(4)申請データの修正] E -->|No| G[エスカレーション] F --> H[(5)再処理の実行] H --> I[(6)処理結果の確認] I --> J{成功?} J -->|Yes| K[(7)Work Notesへの記録] J -->|No| B K --> L[作業完了] G --> M[担当チームに引継ぎ]

(1)エラー内容の確認

目的: エラー通知メールから、エラー発生案件の概要を把握する

所要時間: 約5分

手順:

  1. エラー通知メールを開く

  2. 以下の情報をメモする

確認項目記録欄(例)
申請番号REQ0012345
申請種別ユーザー作成申請
申請者名山田 太郎
エラーメッセージInvalid email format
発生日時2026-01-05 10:30
  1. エラーコード一覧(付録参照)で該当するエラーを確認

代表的なエラーコードと対処方針:

エラーコード対処方針
FORM_001, FORM_002申請データの修正で対応可能
AUTH_001, PERM_001エスカレーションが必要
DUPL_001, DUPL_002申請者への確認が必要
TIME_001再処理で解決する可能性が高い

(2)SNOW申請レコードの確認

目的: SNOW上で申請の詳細情報と現在のステータスを確認する

所要時間: 約5分

手順:

  1. SNOWにログインする

    • ブラウザで組織のSNOW URLにアクセス
    • 管理者アカウントでログイン
  2. 申請レコードを検索する

    • Filter navigatorに sc_req_item.list と入力
    • 「Number」列で申請番号(例: REQ0012345)を検索
    • 該当レコードをクリックして開く
  3. 以下の情報を確認する

確認項目フィールド名確認内容
申請者Requested for申請者氏名
申請日時Created申請日時
現在のステータスStatePending / Error など
申請内容Variables入力された申請データ
  1. スクリーンショットを保存する

  2. Work Notesに対応開始を記録する

    • 「Work Notes」タブをクリック
    • 以下を入力:
      エラー対応開始
      - 日時: [現在日時]
      - エラー内容: [エラーメッセージ]
      - 対応者: [自分の名前]
      
    • 「Save」をクリック

(3)SharePointリストでエラー詳細確認

目的: SharePointリストでエラーの詳細情報を確認する

所要時間: 約5分

手順:

  1. SharePointサイトにアクセスする

    • ブラウザで対象SharePointサイトURLを開く
    • M365アカウントでログイン
  2. 対象リストを開く

    • 申請種別に応じたリストを選択(利用ツールの表を参照)
    • 例: ユーザー作成申請の場合 → 「UserCreateRequests」
  3. エラーアイテムを検索する

    • リスト上部の検索ボックスに申請番号を入力
    • または「ProcessStatus」列で「エラー」をフィルタ
  4. アイテムをクリックして詳細を確認する

確認項目カラム名確認内容
処理状態ProcessStatus「エラー」になっていることを確認
エラー詳細ErrorDetails具体的なエラーメッセージ
結果メッセージResultMessageM365設定反映システムからの応答
申請データRequestDataJSON形式の申請内容
処理日時ProcessedDateTimeエラー発生日時
  1. スクリーンショットを保存する

  2. エラー内容から修正方針を判断する

エラー内容修正方針
Invalid email formatRequestData内のemail値を修正
Required field missing欠落フィールドを補完
User already exists申請者に確認、キャンセルまたは別名で再申請
Access deniedエスカレーション

(4)申請データの修正

目的: SharePointリスト上の申請データを修正する

所要時間: 約10分

注意事項:

  • 修正前に必ず元データのスクリーンショットを保存すること
  • JSONフォーマットを破損しないよう注意すること
  • 申請番号が正しいことを再確認すること

手順:

  1. 対象アイテムを開く

    • 手順(3)で確認したアイテムをクリック
  2. 編集モードに入る

    • 画面上部の「編集」ボタンをクリック
  3. RequestDataフィールドを修正する

    修正前の確認:

    1
    2
    3
    4
    5
    6
    
    {
      "requestNumber": "REQ0012345",
      "userName": "testuser",
      "email": "testuserdomain.com",
      "displayName": "テスト ユーザー"
    }
    

    修正後(例: メールアドレスの修正):

    1
    2
    3
    4
    5
    6
    
    {
      "requestNumber": "REQ0012345",
      "userName": "testuser",
      "email": "[email protected]",
      "displayName": "テスト ユーザー"
    }
    
  4. 修正内容を確認する

    • JSONフォーマットが正しいことを確認
    • 修正箇所が意図したとおりであることを確認
  5. ErrorDetailsフィールドを更新する(任意)

    • 「[日時] 管理者により修正済み: [修正内容]」と追記
  6. 「保存」をクリックする

JSONフォーマット確認のポイント:

  • すべての文字列値はダブルクォート(")で囲む
  • キーと値の間にコロン(:)を入れる
  • 各項目の間はカンマ(,)で区切る(最後の項目の後にはカンマ不要)
  • 全体を波括弧({})で囲む

(5)再処理の実行

目的: 修正した申請データをM365設定反映システムに再処理させる

所要時間: 約5分

手順:

  1. 対象アイテムの編集を継続する

    • 手順(4)で保存した後、再度「編集」をクリック
  2. ProcessStatusを変更する

    • 「ProcessStatus」列のドロップダウンをクリック
    • 「エラー」から「待機中」に変更
  3. 「保存」をクリックする

  4. 変更結果を確認する

    • アイテムの「ProcessStatus」が「待機中」になっていることを確認
    • 「Modified」列の日時が更新されていることを確認
  5. 再処理の開始を待つ

    • M365設定反映システムは定期的に「待機中」のアイテムを取得して処理
    • 通常5〜15分程度で処理が開始される

複数件を一括で再処理する場合:

  1. リスト表示に戻る

  2. 対象アイテムにチェックを入れて選択する

  3. リスト上部の「クイック編集」をクリックする

  4. 各アイテムの「ProcessStatus」セルを「待機中」に変更する

  5. 「完了」をクリックして保存する


(6)処理結果の確認

目的: 再処理が正常に完了したことを確認する

所要時間: 約15分(処理待ち時間を含む)

手順:

  1. 10〜15分後にSharePointリストを再確認する
    • 対象アイテムを開く
    • 以下の項目を確認する
確認項目期待値確認結果
ProcessStatus完了□ OK / □ NG
ResultMessage正常終了メッセージ□ OK / □ NG
ProcessedDateTime更新されている□ OK / □ NG
ErrorDetails空欄または「修正済み」□ OK / □ NG
  1. 「完了」の場合: 手順(7)に進む

  2. 「エラー」が継続している場合:

    • 新しいエラーメッセージを確認
    • 手順(3)に戻り、再度原因調査と修正を実施
    • 3回以上再処理してもエラーが解消しない場合はエスカレーション
  3. SNOW申請レコードのステータスを確認する

    • SNOWで申請レコードを再度開く
    • 「State」が「Closed Complete」に更新されていることを確認
    • ※定期ジョブの実行タイミングにより、反映まで最大30分程度かかる場合があります
  4. 完了通知メールの送信を確認する

    • SNOW Filter navigatorで System Logs > Email > All を開く
    • 申請番号で検索
    • 完了通知メールが送信されていることを確認

(7)Work Notesへの記録

目的: 対応履歴をSNOW申請レコードに記録する

所要時間: 約5分

手順:

  1. SNOW申請レコードを開く

  2. 「Work Notes」タブをクリックする

  3. 対応完了内容を記録する

    記載テンプレート:

    エラー対応完了
    
    ■発生エラー
    [エラーメッセージ/エラーコード]
    
    ■原因
    [エラー原因の説明]
    
    ■対処内容
    - [実施した修正内容]
    - [再処理実行日時]
    
    ■結果
    - 処理完了日時: [日時]
    - M365反映: 正常完了
    - 申請者通知: 送信済み
    
    ■対応者
    [自分の名前]
    
  4. 「Save」をクリックする

  5. 作業完了を確認する

    • Work Notesに記録が表示されていることを確認
    • 必要に応じて上位者に報告

付録

エラーコード一覧

エラーコードメッセージ原因対処法対応可否
AUTH_001Authentication failed認証エラーCredential更新要エスカレ
PERM_001Access denied権限不足M365側で権限付与要エスカレ
DUPL_001User already existsユーザー重複申請者確認要確認
DUPL_002Group already existsグループ重複申請者確認要確認
FORM_001Invalid email formatメール形式エラーデータ修正対応可
FORM_002Required field missing必須項目未入力データ補完対応可
TIME_001Request timeoutタイムアウト再処理対応可
LICE_001No license availableライセンス不足ライセンス追加要エスカレ
NETW_001Network errorネットワーク障害インフラ確認要エスカレ
UNKN_001Unknown error不明なエラーログ確認要エスカレ

エスカレーション連絡先

担当連絡先対応範囲
SNOW基盤管理チーム[email protected]SNOW全体、認証エラー
M365設定反映システムチーム[email protected]M365連携、処理ロジック
SharePoint管理者[email protected]SharePointサイト、権限
M365ライセンス管理[email protected]ライセンス割当

作業チェックリスト

作業前チェック:

  • エラー通知メールの内容を確認した
  • 申請番号をメモした
  • SNOWにログインできることを確認した
  • SharePointにアクセスできることを確認した

作業中チェック:

  • SNOW申請レコードのスクリーンショットを保存した
  • SharePointエラーアイテムのスクリーンショットを保存した
  • Work Notesに対応開始を記録した
  • 修正前のデータをバックアップした
  • JSONフォーマットを確認した
  • ProcessStatusを「待機中」に変更した

作業後チェック:

  • ProcessStatusが「完了」になった
  • SNOW申請レコードが「Closed Complete」になった
  • 完了通知メールが送信された
  • Work Notesに対応完了を記録した

改訂履歴:

  • 2026-01-05: 初版作成

問い合わせ先: